「扇動」と「従北」①

ここ数年、ネットでよく使われる言葉に「선동질-扇動」ということばがあります。多くの場合、反政府・反保守的な意見に対しての一種のラベリング(レッテル)的に使われることが多く、社会問題になっている記事等でよく見かけます。以前‐学生運動が盛んだった時代にはむしろ左派運動家のほうが政府を批判するために使ったとも言われていますが、使い方が変質したのでしょうか。日本でいう「プロパガンダ」と同じ響きかな、というところです。

 大抵の場合、それは“事実に基づいておらず、声高に主張する者が無知な国民を利用して世論をある方向に向かせようとしている”という文脈で使われ、この“ある方向”というのが、特に最近では「従北」ということになります。

 「北」とは言うまでもなく、「北朝鮮」のことで、あまり普段意識することもありませんが、現在も韓国とは戦争状態(「休戦」)にあります。つまり、「敵国」ということになるでしょう。そしてそんな北朝鮮に利することをめざすのが「従北」ということになります。

日本のネット、それも保守(というべきかややためらわれますが)傾向にある人らが語る「反日」に近いものを感じさせます。

 そしてこのレッテルが貼られる対象は多くの場合、左派層を支持する、「진보‐進歩」勢力と呼ばれる、「386世代」(いまや586ですが)で元々学生運動を支持し、今もソウル市長や野党の理念を支持する人らが対象になることが多いことはアイロニーですね。

 次回はこの言葉が最近になって使われるようになった背景について、書いて見たいと思います。